【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
バッグの中のスマホが鳴り響き
ピクリと身体が反応する。
誰からの電話であってもこの状況じゃ出られるわけがない。
メールじゃなくて電話がかかってくる相手なんか数人しかいないから予想が出来る。
時差を考えるとママからの電話の可能性は低い。
止まれ、止まれ。早く止まってくれと思うのに
一度切れてもまた鳴りだす。
「出ないの?」
出られるわけないでしょ。
ここで何話すのよなんて言えるものなら言いたい。
もしかして緊急?なんて不安も起きて来た。
「失礼します」
視線も合わさず断ってからバッグの中からスマホを取り出す。
その手を課長が捕まえ目に入るのはラブショットとkennyの表記
「kennyか。週末で約束してたか」
私は何度も横に首を振り続けた。
ママからの緊急の電話じゃなくて正直ホッとした。