【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



「出ないのか」


私の手を掴んでいるから出れるわけないのにそんな言葉をぶつけてくる。


「手を放して下さい」


震えた声で呟くと


「あ…」と掴まれていた手首が解放された。


「もしもし」


「Liz?どうした。忙しいか?」


聞こえてくるのは呑気なkennyの声。


「き…緊急事態で…」



そう…緊急事態なのはまさに私だ。



「Lizどうした。どこだ」


「た…タクシーの中…」


それだけ言って私は電話を切った。


Salaさんと一緒なんだと思う。



切った後でまた鳴る電話。


そりゃそうだ。緊急事態と言われて一方的に切られたら


私でも掛け直しそうだ。


隣を気にしながらもちょっとだけ冷静に分析。





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