【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
「課長を健人と呼ぶと会社でも呼んでしまいそうな気がするんです。ここは日本です。そんな風に呼び合うと勘違いされますよ」
「勘違いじゃなくなれば問題ないんだろ?」
だだっこを相手にしているようでモスコミュールを口にしながら妥協点を模索する。
私が大人になるしかないような…。
会社にいる時の課長と大違いでこんなにも感情を露わにする人だったのかと驚くぐらいだ。
「定時になったら健人と呼ぶ努力はします。」
「いや、待て英語で話せば問題ないよな?」
もう我慢出来ずに吹き出してしまった。
あのステキな課長からの発言とはあまりに思えなくて笑いを堪えるのが大変。
「私の記憶の中に課長は大学時代の友人だと思いこませます。そうすれば少しは呼びやすくなるかもしれません」
本当にそうか?なんて思いながらもとりあえず言ってみたのに
「いや、幼稚園にしろ。あいつよりもっと前に知り合ったことにしろ」
「それでも初恋は代わりませんよ?」
固まった課長の姿が何とも可愛くて
「嫉妬ですか?」
「あぁ嫉妬だ嫉妬」
メガネの奥の瞳も少し恥ずかしそう。