【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~




それはきっと私の手をひいた事だと少なからず彼女だった私にはわかる。


自分の事は棚に上げて何言っちゃってんの?


私は課長をにらみつけると


「No matter how bad the truth is... it does not tear you apart inside like dishonesty.」(どんなに悪い真実でも嘘よりマシよ。)



私の腕を掴もうとした課長の腕を振り払ってみやちと一緒に走った。


「おいバス乗るぞ」


「うん」


何の逃避行なんだか行き先すらわからないバスに2人で飛び乗った。


鳴り続ける携帯がうっとおしくて課長の番号を着信拒否にした。


メールアドレスも拒否。


そしてスマホの電源を落としてバッグの中に放り込んだ。


バスの中で涙を流しながらやっている姿は無様なんだと思う。


みやちには哀れな姿にうつっているかもしれない。


「話し合わなくていいのか?」


「会社でイヤでも会うから」


「だな」


「うん」


もうそれ以上何も言わないでくれるみやち。


暫く車窓に流れる景色を茫然と見つめていたけれど


「このバスどこ行きだ?そろそろ降りた方が良くね?」


笑っているみやちの声でどこかもわからずボタンを押して


知らない停留所で2人して降りた。





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