【完】 Squall ~いくつもの恋をして~
課長の席の前を通らなきゃ出口には行けないわけで
「顔あげろ」ってみやちの声にまた頷き
見慣れたみやちの背中を見て歩きだした。
「理沙!」
「課長もいらしたんですね」
白々しいみやちの言葉の後に
「こんにちは」
頭を下げて走りぬけたい気持ちを抑えて出口へ向かった。
先に外出てろというみやちの言葉をありがたく受けとり
店の外で浮かぶ涙を必死に堪えて立っていると
「理沙、どうした。何があった」
課長が慌てて外へ出てきて問いかける。
会計の終わったみやちも出てきて
「あさり、行こう」
課長の姿すら無視するように私の手をひいた。
「宮川」
課長が低い声でみやちを呼びとめた。