【完】 Squall  ~いくつもの恋をして~



「おい、あさりの家は次で乗り換えだろ」


「あぁ…。帰りたくないな。」


課長が家に来そうですごくイヤ。


まだ冷静に話しが出来る状態じゃないからなおさらイヤ。


「日本に女友達も家族もいないってすごく不便だね」


親しい同僚はいるけど、課長とのことはさすがに言えない。


突然泊めてといえばあれこれ聞かれる。


名前を隠していても、何かのはずみに口に出してしまいそうで


とてもじゃないけど行く気になれない。


学生時代の友達がいないから家に帰らないと行き場を失う。


「家来るか?」


言ってるみやちはにやにやと面白がっていて


「傷心の私につけこまないで」って言ったら爆笑してた。



乗り換えの駅につき仕方ないと立ち上がり


「みやちありがとね。また連絡する」


笑顔で手を振ってみやちを見送った。



親戚の家にいきなり行くのも変だしな…


仕方ない。帰るかな…。


ホームに入ってきた電車に乗るとどこへ行くかばかり考えた。


逃げたいのか?


逃げたいのかも。


考えたくないんだろうな。






< 327 / 453 >

この作品をシェア

pagetop