委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「頭、痛いの?」

「あ、ああ」

「わたし、たぶん頭痛薬持ってるから、飲む?」

「大丈夫、持ってるから……」


 俺は、慌てた様子で手提げ袋を引き寄せた真琴さんを手で制し、その手をGパンのポケットに突っ込み、財布の中から鎮痛剤を2錠取り出した。俺は昔から頭痛持ちだから、と言っても、どのくらいの“昔”かはやっぱり定かでないが、常に鎮痛剤を持ち歩いているのだ。

 それをコップの水で飲み込み、目をつぶって痛みが治まるのを待った。出来れば横になりたいが、自宅ではないので我慢した。

 失った俺の記憶はどんななのか。俺が知らない本当の俺はどんな奴なのか。それと、俺と真琴さんの関係は……

 知りたい事は山ほどあるが、この酷い頭痛が治まるまでは無理だ。考える事すら出来ない。おふくろから貰っている鎮痛剤は良く効くのだが、飲んでから効きだすまで30分ほど待たねばならないのが難点だ。

 真琴さんは、痺れを切らして帰ってしまうかと思ったが、アイスコーヒーをストローですすりながら、下を向いて携帯をいじっていた。俺の頭痛が落ち着くまで、そうやって待ってくれているようだ。案外、優しい子なのかもしれない。いや、それは俺に対してなのかも。という事は、もしかしてだが、彼女は俺の……

 痛え……。妙な事を考えたら、余計に痛くなってしまった。

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