委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「ピンポーン! さっすが、おに……とっとっと」
「おに?」
「な、なんでもない」
「それより、何が“ピンポーン”だ。ふざけんなよ」
「ふざけてないもん」
「……えっ?」
真琴さんは、さっきまでは笑っていたが、今は真剣そうな眼差しで俺を真っ直ぐに見ている。確かにふざけてる感じではない、のだが……
「おい、待ってくれよ。俺は思いつきで言っただけなんだ。俺が記憶喪失だなんて、冗談だろ?」
「冗談じゃないよ」
真琴さんは、真剣な目で俺を見たまま、低い声でそう言った。まさか、本当に俺が……?
「ちょっと待てよ。俺は過去をちゃんと憶えてるぞ」
と言ってはみたが、実は“ちゃんと”とは言いがたい。過去を思い出そうとすると、何かこう霞が掛かったみたいでよく見えないのだ。そして、無理に思い出そうとすると頭が痛くなったりする。
「じゃあ聞くけどさ、学校の先生のこと憶えてる? どの先生でもいいし、名前だけでもいいよ」
「そんなの、当たり前だろ? えっと……」
ゲッ。思い出せない……
学校に先生はつきものなのに、ひとりも思い出せない。小学校はもちろんのこと、中学の先生も思い出せない。いや、高校もだ。
さすがに今の中央高の先生なら思い出せるが、前に通っていた西高の先生を思い出せないぞ。どうなってるんだ……
「あるいは友達は? もちろん今のじゃなく、昔のよ?」
「そ、それは……」
友達か……。それはもちろんいたと思う。ひとりもいないなんて寂しすぎるだろ。だが……ひとりも思い出せない。
ダメだ。頭痛がしてきた……
「ごめん。もう思い出そうとするのはやめて?」
「ん……」
「体に障るから。でも、記憶がないってわかったでしょ?」
到底信じがたい話ではあるが、俺は認めざるを得なかった。俺が、記憶喪失だという事を……
「おに?」
「な、なんでもない」
「それより、何が“ピンポーン”だ。ふざけんなよ」
「ふざけてないもん」
「……えっ?」
真琴さんは、さっきまでは笑っていたが、今は真剣そうな眼差しで俺を真っ直ぐに見ている。確かにふざけてる感じではない、のだが……
「おい、待ってくれよ。俺は思いつきで言っただけなんだ。俺が記憶喪失だなんて、冗談だろ?」
「冗談じゃないよ」
真琴さんは、真剣な目で俺を見たまま、低い声でそう言った。まさか、本当に俺が……?
「ちょっと待てよ。俺は過去をちゃんと憶えてるぞ」
と言ってはみたが、実は“ちゃんと”とは言いがたい。過去を思い出そうとすると、何かこう霞が掛かったみたいでよく見えないのだ。そして、無理に思い出そうとすると頭が痛くなったりする。
「じゃあ聞くけどさ、学校の先生のこと憶えてる? どの先生でもいいし、名前だけでもいいよ」
「そんなの、当たり前だろ? えっと……」
ゲッ。思い出せない……
学校に先生はつきものなのに、ひとりも思い出せない。小学校はもちろんのこと、中学の先生も思い出せない。いや、高校もだ。
さすがに今の中央高の先生なら思い出せるが、前に通っていた西高の先生を思い出せないぞ。どうなってるんだ……
「あるいは友達は? もちろん今のじゃなく、昔のよ?」
「そ、それは……」
友達か……。それはもちろんいたと思う。ひとりもいないなんて寂しすぎるだろ。だが……ひとりも思い出せない。
ダメだ。頭痛がしてきた……
「ごめん。もう思い出そうとするのはやめて?」
「ん……」
「体に障るから。でも、記憶がないってわかったでしょ?」
到底信じがたい話ではあるが、俺は認めざるを得なかった。俺が、記憶喪失だという事を……