委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「俺がいない間、誰かに言い寄られたりしたろ? それでつい、ふらふらっと……なんてなかったのか?」


 冗談かと思ったけど、悠斗は真面目そうな顔で私の顔を覗き込んでいる。


「そんな人、いるわけないでしょ?」

「そんなわけないだろ? こんだけ可愛いんだからさ……」


 そんな風に言ってもらうと、正直嬉しく、顔がポッと熱くなってしまった。西陽でごまかせてればよいのだけど。


「私、さっきまで眼鏡掛けてたよね?」

「え? ああ、そう言えばそうだったな。しかもダサいやつ」

「ダサいって、ひどいなあ。でも、実際そうだよね。一年前、私は悠斗に捨てられたと思って、それ以来自暴自棄になってた。人と話すのも億劫で、だから眼鏡を掛けて勉強一筋。この一年、誰とも話さず笑いもせず、いつの間にか着いたあだ名が“アイスクイーン”よ」

「“氷の女王”か…… なんか、そんな玲奈も見てみたいかもだな」

「だったら、また眼鏡掛けようか?」

「あ……やっぱりいいや。それはやめてくれ」

「うふ。そんな私に、声を掛ける子なんているわけないでしょ?」

「確かにそうかもだな」


 とか言いながら、相原君だけは例外だったな、と私は思った。そんな取っ付きにくい私に、彼だけは興味を持ってくれた。と言っても、彼って悠斗なんだけどね。

 ややこしくなるから、それは言わないつもりだったのだけど……


「ちょっと待て」

「ん?」

「あいつとはどうだったんだよ?」

「“あいつ”って?」

「“相原君”ってやつさ」

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