委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
「ねえ、どうやって解いたのか教えて?」


 あの問題を見つけたらしい桐島さんは、早速にそう言った。でも、どうしよう……

 説明なんてあっと言う間に終わってしまう。そうすると、「込み入っている」と言った僕の嘘がばれてしまうし、桐島さんは早々に帰ってしまうかもしれない。


「もうすぐ飲み物が来るので、それからにしませんか?」

「ん……わかった」


 ふうー、多少は時間稼ぎが出来たかな。本当に多少だけども。

 その間、何か話をと思ったけど、何を話していいかわからず、沈黙するうちに店員さんが僕らのアイスコーヒーを持って来てくれた。


 桐島さんはアイスコーヒーにガムシロップを入れ、次にミルクも入れてストローでチュチュッと飲んだ。うん、そんな仕草も可愛いなあ。


 僕も飲むと、なぜか桐島さんは僕をジーッて感じで見ていた。


「何も入れないんだ?」

「え?」

「ガムシロとかミルク」

「う、うん、入れない」

「甘いの苦手なの?」

「うん、そうなんだ」

「へえー、意外……。あれ? だったら、なんでフラッペが好きなのよ?」

「す、好きじゃないです。ただ、友達が食べるから、僕も……」

「なんだ。主体性がないのね」


う、言われてしまった……

 主体性かあ。確かにないかも。僕には……

< 40 / 227 >

この作品をシェア

pagetop