委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
委員長の変化
「教えて?」

「う、うん」


 さすがにもう時間稼ぎは無理だ。僕は覚悟を決め、あの問題の解き方を桐島さんに説明した。ものの1分も掛からなかったと思う。


「ああ、そういう発想なのね。なるほどね……って、ちっとも込み入ってないじゃない!」


 やっぱり怒られた。桐島さんは口を尖らせ、目を三角にして僕を睨んだ。と言っても、あまり怖いとは思わなかったけど。むしろ可愛いかな、と思ったり……


「ごめんなさい!」

「もう、なんで嘘ついたの?」

「そ、それは……」

「どうして?」

「それはその……き、桐島さんと、お茶したかったから……」


 僕は恥ずかしさと申し訳なさで、下を向いてそう答えた。果たして桐島さんは、どんな風に罵倒するのだろうか。

 と思ったのだけど、なぜか桐島さんの声が聞こえない。ゆっくり顔を上げると……

 桐島さんは、黒目がちの目を大きく開いて僕を見ていた。そして、またもや頬をピンクに染めていた。いや、頬にとどまらず、顔全体がほんのり赤く染まっていた。

かなり可愛いかも……


「ば、バカみたい!」


 桐島さんは僕と目が合うとプイッと横を向き、乱暴な仕草でテキストを閉じ、ペンケースと共にバックに仕舞い始めた。怒って帰ってしまうのだろうか……

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