委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 ああ、そうか。母は僕の言葉に反応してるんじゃなくて、僕と真琴さんの仲を心配してるんだ。変な事にならないかって……

 うん。そう考えるとつじつまが合うと思う。なるほどね。それにしても、真琴さんとじゃそんな心配要らないのになあ。彼女、よく見れば可愛い顔をしてるけど、男っぽくてまるで色気がなくて、全然僕の好みじゃない。僕の好みは、可憐で女らしくて、例えば、っていうか、例えなくても桐島玲奈さんなわけで……


「ねえ、どうなの?」


 おっと、桐島さんの事を想ったら、ついボーッとしてしまったらしい。


「何もだよ」

「何も?」

「何も変な話はしてないってこと。ごく他愛のない話しかしてないよ」

「例えば、どんな?」

「ん? 例えば……真琴さんに兄弟はいるのか、とか……」

「いないわよ!」

「えっ?」


 母は間髪を入れず、しかも吐き捨てるように言ったので、僕は唖然としてしまった。

< 62 / 227 >

この作品をシェア

pagetop