委員長に胸キュン 〜訳あり男女の恋模様〜
 10日間の夏期講習は、それこそあっという間に終わってしまった気がする。そう思えたのも、ハードな授業がちっとも苦じゃなかったのも、はっきり言って相原君が一緒だったからだ。

 彼とは友達以上にならないようにして来たけど、私の心の中では既にその領域を越えてしまっていると思う。なぜなら、こうしている今も、彼の声が聞きたくて堪らない。ううん、声だけでは満足できない。彼に……会いたい。


 勉強をしてみても、今ひとつ集中出来ず、諦めて私はリビングでテレビを見ていた。特に見たい番組があるわけではなく、ただボーっとしていただけなのだけど。ちなみに母は買い物に出掛けていて、今家にいるのは、私と……


「姉貴、もう塾は行かないのか?」


 今起きて来たらしい、弟の貴志だけだ。


「もう終わったもん」

「ふーん……」

「あんたさ、夏休みだからって、ダラダラしてちゃダメよ。昼夜逆転しちゃうよ?」


 壁の時計を見ると、既にお昼をとうに過ぎた時刻だった。


「わかってるよ……。しかし腹減ったなあ。お袋は?」

「買い物に出掛けてる。そうめんぐらいだったら作ってあげようか?」

「ん。お願いします」

「わかった」


 と言い、私がソファーから立ち上がろうと腰を上げかけたら、


「ちょっと待って。その前に聞きたい事があるんだよね」


 と貴志に言われた。


「何よ?」

「あのさ、もしかしてだけど、あいつとヨリを戻したのか?」

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