LOVE or DIE *恋愛短編集*

第三章

翌日から、悠太は走り込みのコースを正式に変更した。
今度はきちっと距離を調整して、これまでと同じになるようにルートを考えた。

コンビニの前に公園に寄る。
そこで顔を洗えるよう、ジャージの腰のゴムにタオルを突っ込んで持ち歩くようになった。
着替えのTシャツは、迷ったがやめた。
不純な目的―――彼女の顔が見たいという、新しい目的が追加されただけで、当初の走り込みの目的がなくなったわけではない。
邪魔になる荷物を増やすのは【ルール違反】だと、悠太は判断したのだ。
その代わり、Tシャツは汗ジミの目立たない色、素材を選んだ。

例のコンビニ限定のスポーツドリンクがあったのは幸運だった。
なぜいきなり毎日現れるようになったのかと万が一にも聞かれたら、それを理由にしよう。
そう心に決めて、悠太はその限定ドリンクを買い続けた。


彼女は毎日いるわけではなかった。
1ヶ月もしない内に、彼女はどうやら月、水、金曜の夜は必ずいる、という結論に達した。
初めて会った練習試合の日は日曜だったことを考えると、土日もバイトに入ることはあるのだろう。
だが、そこには規則性を見いだせなかった。
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