失恋のその先に
「ん…桜、起きたのか?」
「大智ごめん、起こしちゃったね。ところで…どうして私ここに?」
「…お前、覚えてないのかよ」
頭を抱えるように伸ばした手で自分の前髪をクシャクシャにする。この仕草は大智が少し苛立っている時にする行動だ。
やはり昨日なにか怒らせてしまったのだろうか。
「ったく、昨日なにがあった!?あの男になんかされたのか?」
「えっと…実はお酒を飲まされて襲われそうになった」
「はあ?あんな男にホイホイ着いて行くからだろ!もっと危機感持てよ」
「…うん」
「俺が気を失ったお前を助けなかったら、今ごろアイツの餌食になってたぞ」
「…だよね。ホントごめん」
はぁ…と溜め息をついた大智が痛いぐらいに私を抱きしめた。その行動から大智がすごく心配してくれた事が分かる。
いい歳して友達にこんな心配をさせてしまうなんて、私もまだまだダメな人間だ。
もう一度ごめんと言って彼の胸にコツンと額をつけた。すると優しく私の髪を撫でてくれる。
ありがとう大智。