Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
松平さんは私を冷やかして口許に不敵な笑みを湛えた。



私が愛されているのは上辺だけ。そう思いたくないけど、そうであって…


怜は私を求めるけど、それは快楽の共有と子供を宿す為。



私が居なければ、怜は社長の椅子を追われ、財産を相続できない。



彼はそのコトを気に掛けるだけで、私の身の心配など二の次だ。


「神楽坂社長は奥さんの為に一億円用意しそうか?後藤」



「あの声だと用意しそうです。しきりに、奥さんの身を按じていましたから…」




怜---・・・!?


怜が私を身を按じている。


それが凄く嬉しく、思わず口許を綻ばせてしまった。
< 109 / 355 >

この作品をシェア

pagetop