Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
_________

____

__


「来たのか…」


「ゴメンなさい…怜」


「やはり、妊娠はタイミングか…」


私は槇村医師の指導通り、毎朝、基礎体温は付けていた。


二度中絶を経験しているが、妊娠には問題ないと言う診断を受けた。怜の言う通りタイミングなのだ。

怜は私の基礎体温表を見て考え込む。


「…まぁ、仕方がない…来月に期待しよう」


怜は体温表を返してコーヒーを啜る。


怜の表情は私の生理を残念がる様子はなく、晴れやかな顔にさえ見えた。


「私の生理…嬉しがってない?怜」


「そんな風に見える?謝る君に気を遣ってるだけだよ」


私の謝罪は心からの謝罪じゃない。心の中では嬉しいのよ。


私は怜と一緒に結婚生活を続けたいと望んでいるから…




< 133 / 355 >

この作品をシェア

pagetop