Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~

―怜side-

紗月は俺の顔を見て本心を汲み取る。


俺は背中に汗を滲ませて上手く誤魔化した。


そうだ、俺は紗月の生理を喜んでいる。妊娠なんて望んでいない。


俺達の結婚生活は彼女が俺の子を出産すれば、それで終わりを告げてしまう。彼女の妊娠は、この腕に彼女を二度と抱けなくなるコトを意味する。



俺がこんなに求めた女は今まで居ただろうか?



*********


俺は叔母様に呼び出された。

俺と紗月が入籍して3ヵ月が過ぎていた。その間、叔母様の干渉は全くなく、俺の方が首を傾げる程だった。



「俺と紗月の結婚披露パーティ?叔母様は俺達の結婚に反対ではなかったのですか?」


叔母様は俺の反応を楽しみながら言葉を続ける。


「反対も何も…二世の誕生の報告は無いの?怜」



「今の所はありません…」


「パーティは邸宅で行うから、紗月さんのドレスは私が選ぶから、準備は不要よ。怜」


「これが私が招待する出席者リスト…怜の招待客の人選は貴方自身がして」


「…承知しました…」












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