Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「紗月が選んでくれ」


「私が!?」


怜のタキシード選びは一任されてしまった。

私は奥にある男性のウエディング衣装のコーナーに向かう。


怜の普段着ているスーツの色を考えて選ぶけど。


「怜はグレーが似合うかな?」

「グレー?」


「うん」


怜は暫く、私の迷う様子を伺い、徐にグレー系のタキシードの手に取った。


「それいいと思います…」


衿越しをやや高くし、そこから肩山まで綺麗に沿ったショルダーライン。

色目も光沢のある生地で深みのあるグレー。


「…紗月がいいと言うなら試着してみるよ」


怜はタキシードを持って試着室に入る。



怜のスタイルにあつらえたようなジャストサイズのタキシード。

丈長のフロックコートタイプの上着が一層、足をスラリと長く見せる。

「お似合いですよ。社長」

従業員の方々も怜を褒めちぎった。

「時間ないし、これでいい」







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