Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
瀬川さんは窓から庭に出て使用人室に行ってしまった。



「紗月、俺だ…」


私はドアを開けて怜を部屋に入れる。



「瀬川からドレスを受け取ったか?」



「はい、お気遣いありがとうございます…」


「俺は叔母様をぎゃふんと言わせたいだけだ…」


「怜…」


怜はパーティに相応しく黒の燕尾服姿。


「早く、着替えないとパーティ始まるぞ」



「でも、怜が居るし…」


怜は、私以上に私の身体を隈なく知っているが、女としての恥じらいは捨てられない。


「今更、なんで恥かしがるんだ?」


「いいじゃない。恥らいは持っておきたいの」


「ふっ…可愛いコト言うな・・・」


怜は手で両目を覆い、私の着替えを見ないようにした。




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