Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
瀬川は二人の仲を知っていた。


「死んだ母も知っていました…。でも、怜様のご両親のように、親父も一子様もお互いにキモチを通い合わせようとはしなかった…」


瀬川の母親も俺の母と同じ使用人だった。




瀬川さんは身の丈に合った相手と結婚した。


お互いに冷静に相手の立場を考えて行動したんだ。俺と親父とは違う。



「親父が母さんを大切にしてくれたのは息子の俺も理解しています。二人の結婚に反対はしません。怜様はこれを好機として、一子様と俺の親父との結婚を許し、一子様を味方に付けた方がいいかと思います」




「でも、叔母様が母さんにしたコトを考えると…許すキモチにはなれない」



「紗月様と生まれて来る子供の為に、怜様が折れるべきですよ・・・」




「…紗月と子供の為か…」
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