Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
怜は私に『離婚』を言い放ち、病室を出て行こうとする。
私が命を賭けて生んだのは女の子。怜が望んだのは男の子だった。
「怜が望むのは男の子。女の子である紗羅は必要のない子供。本気で離婚するなら、私が紗羅を引き取ります!」
「紗羅は俺の子供だ。紗月は自由すればいい。俺の生ませた子供で苦労を背負うコトはない!」
「確かに、紗羅は未熟児で他の赤ちゃんよりも育てるのに苦労するかもしれないけど。私は失ってしまった二人の分まで…紗羅を幸せにしてあげたいの」
「紗月…」
確固たる決意の光を孕ませていた怜の瞳が揺らいで見えた。
揺らいだキモチを押し込めるように怜は私を置いて出てしまった。
怜に紗羅は渡せない。紗羅は私の子供ーーー・・・