Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
彼は専属執事として身の回りのお世話をしてくれた。


私の命令には必ず従う瀬川。


両親と離れて暮らし、母親の生家と言え、厳しい祖父母、叔父様や叔母様に甘えるコトは出来なかった。


私にとって瀬川だけが、甘えられる存在となった。


「瀬川は恋人居るの?」


就寝前のホットミルクを差し出す瀬川に思い切って訊いてみた。


瀬川は21歳の大学生。
東大エリートの瀬川はさぞかしモテるだろう。


「いませんよ。俺に近寄る女性は皆…怜様目的ですから・・・」



「怜目的?」



怜と私は従兄弟同士。瀬川よりも2歳年上で今は祖父の会社で働いていた。



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