Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「偶然ですか・・・」


瀬川は寂しそうな表情を見せて呟く。


初めて出会った時とは変わらない瀬川の姿。声も背丈も顔立ちも同じだった。

変わった所と言えば年を重ねた分だけ、落ち着きと貫録があった。


「怜が寂しがってるわよ。行ってあげたら?」



「紗耶香お嬢様はフッた俺を恨んでいます?」



「べ、別に・・・」

「ずっと…お嬢様にシカトされていたから…心に引っかかっていたんです」


「あの告白は、嘘よ!冗談よ!!最後に瀬川を困らせたかっただけなの。なのに、瀬川と来たら、真面目に答えて馬鹿よ」


「嘘、冗談ですか・・・」


「失礼」


私は瀬川を置いて人ごみの中に紛れ、両親を探した。


本当はずっと…想い続けてるのに…


スキな人を目の前にしたら、思考が滅茶苦茶になってしまう。私の方が馬鹿な女だ。














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