Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
瀬川が私の高嶺の花だと言う。


「瀬川…」


「俺の名前は晴斗だ。恋人なら、名前で呼んで欲しい…」



瀬川の瞳が甘いスイーツのように蕩けていた。


「俺はお嬢様がスキでスキで堪らない…」


「晴斗が私を…?」



「人のキモチを汲み取るのは上手なのに、自分のキモチには疎くて…自分のキモチに気づいたのはお嬢様が屋敷に去った後でした。気づいても、俺達の間には身分差がある」



「・・・」



「あれから10年…色んな女性と交際を試みましたが、俺の心の中からはお嬢様は消えなかった。でも、お嬢様はフッた腹いせから…俺をずっとシカト…お嬢様に冷たくされるコトが他の誰に冷たくされるよりも辛かった」




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