Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「腰を落として持った方がいいと思いますよ」


「えっ?」


店舗視察で足を運んだ三鷹店。

俺は食品売り場のレイアウト変更の手伝いをし、バックヤードで10キロの米袋をカゴ台車に載せていた。


「君は俺が誰か知らないのか?」



「品出しのバイトさんでしょ?私は食品レジ担当の角南紗月です」




従業員用の緑色のジャンパーをシャツの上から着こんでいたから、間違えるの無理もないが。


「ほら、私の言う通り腰を落として…」


俺は彼女のアドバイス通り、腰を落として米袋を持ち上げる。


「私の実家は米農家で…精米する前のお米の方がもっと重いですよ」


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