Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
堰を切ったように言葉を紡ぐ。



「わかった…」


怜は私の肩を抱き寄せて低い声で相槌を打った。


*********


別々にシャワーを浴びて寝室に戻った。深紅のシックなベットスプレットのダブルベット。

怜はバスローブ姿のままベットの中で、上体を起こして待っていた。

彼はサラサラの黒い髪を掻き上げる。


「おいで…紗月」


怜は凛とした甘く低い声で私に手を伸ばす。



「はい」


私は緊張で声を上ずらせ、彼の隣に身体を滑り込ませる。


< 95 / 355 >

この作品をシェア

pagetop