キミと帰る道
「すずちゃんのこと嫉妬してたよ?
だって光輝は………」
「藤谷くんは…?」
「ううん、なんでもないっ。
ここから先は、光輝がすずちゃんのことを覚えたら、本人から聞いて?」
聖羅ちゃんの言うことがわからなくて、首を傾げる。
これが本当の聖羅ちゃん…?
「すずちゃんの気持ちを知りながら、ちょこっとだけ意地悪しちゃった!
でもね、すずちゃんは大切な友達だから」
「わ…私も、聖羅ちゃんと優芽ちゃんは大切な友達だよ!
だから…聖羅ちゃんに嫌われるのが怖くて……」
逃げちゃったんだ。
チラッと隣を見ると、聖羅ちゃんと目があって。
聖羅ちゃんは優しく微笑んだ。
聖羅ちゃんは……優しい人だ。
「いままでのこと許してね?
これからはすずちゃんのことを応援するしね!」
優しいからこそ、たくさん泣いたんだ。
だって、コンシーラーで隠し切れてない腫れたあとが見えるもん。