キミと帰る道





すると、私の涙だけじゃなくて。
空から降って来た雨までもが。
コンクリートを染めていく。





早く家に帰らなきゃなのに。
ぼーっと立ち止まってしまう。





だってさ。
雨なら、泣いててもわからないでしょ?
雨は神様の涙だって、小さい頃幼稚園の先生が言ってたなあ…。





だから、一緒に泣いてもいいでしょ?





「……っく…」





涙と一緒に。
辛くて悲しいこの気持ちが、流れていけばいいのにな。





そして、この恋心も流れていけばいいのに。





どんどん、流れちゃえ。
どんどん、消えて行っちゃえ。





そうすれば、どんなに楽なことなんだろう…。





< 132 / 228 >

この作品をシェア

pagetop