魔法少女と謎のショタ
「圀宮籍飽きたんだもん。」by.流伊覇
それからいくつ日にちがたっただろうか。
走ったり、魔法使ってみたりしただけで、
魔王は現れない。
「垢琉。魔王いないじゃん。」
「…ま、魔王も忙しいんだよ。きっと。」
圀宮籍にもちょっと飽きてきたこの頃。
授業終わったあとにいつも圀宮籍に行っている。

今日も授業が終わって、圀宮籍に行こうとした。すると、
「流伊覇ーっ!!!
久しぶりにあそぼぉーっよ!!!」
弥奈が話しかけてきた。いつもは断ってるのだが、今日ぐらいいっか。と思ってしまった。
「いいよ。」
その日は圀宮籍に行かず、弥奈と遊んだ。
走ったり特訓ばかりの日々だったので、とても楽しかった。
やっぱりあたしは普通の女子高校生なんだから。
そう思ったり、思わなかったり。
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
次の日、学校が騒がしかった。
「…が、発作で倒れたらしいよ。」
「うそぉ、あいつが!?」
何事だろう、と思っていたら、弥奈が駆け寄ってきて、話してくれた。
「流伊覇流伊覇!部長が発作で倒れて入院なうだってさっ!!!」
「え、部長が?」
部長は人気者なので、みんながざわざわするのが理解できた。
部長はもともと病気持ちだったことは知っていたが、まさか倒れるなんてね。
「ほえー、大変だね。」
その時は、そうとしか思わなかった。
㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝㉝
「なんで昨日来なかったのさっ!!!
毎日来ないと駄目だろっ!!!」
圀宮籍に行ったら、垢琉に叱られた。
「いいじゃん、別に。」
「そんなんじゃ魔王に勝てないよ?もし昨日魔王が来てたら…」
「来てないじゃん。いいじゃん。1日ぐらい。」
すると垢琉はすごい怒った顔をした。
「ざけんなよ!!!その1日で、あいつはっ!!!
…なんでもない」
やっぱりそうか。あたしは思い切って、質問してみた。
「ねぇ、垢琉。ほんとのこと、話して?」
「な、何いうのさ。ぼくはいつもほんとを話してるじゃないか」
「垢琉。」
「…。」
垢琉は、全てを話した。

「ここ、圀宮籍は、セカイなんかじゃない。
『ある人』の病気なんだ。
『ある人』を病気にさせているのが、この圀宮籍。
圀宮籍は前までとてもいい国だったんだ。
『ある人』を守るための、国。とっても素敵な、国。
でも、ある日ね、『ある人』の子孫が
圀宮籍を出ていってしまったんだ。
圀宮籍は魔法で守られていたから、圀宮籍はとても不安定になった。
だから、圀宮籍を守るためには、『ある人』と繋がりを持つるーさんの力が必要だったんだ。
るーさんが来るまで圀宮籍は、ぼくが守っていたんだ。
でもぼくじゃ、圀宮籍は守り抜けない。
圀宮籍を守ることは、るーさんしかできないんだ。
圀宮籍と同時に滅ぶのは、るーさんの世界じゃなくて、『ある人』の命なんだ。」
あたしは、そんな重要な役目だったのか。
そんなことも知らずに、あたしは。
「…で、その『ある人』っていうのは?」
「もうわかってるでしょ?」
垢琉が涙を流す。

「僕の姉であり、流伊覇の姉でもある、
写真部部長で、不良に恋した
紅守 雛深 だよ。」
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