嫌われ者に恋をしました
よく事故を起こさなかったと思うくらい、隼人は焦っていた。早く!早く!と急いだはずなのに、予想通り20分かかってようやく雪菜のアパートに着いた。
急いで車から降りて、アパートの下から見上げると、雪菜の部屋は電気がついたままになっていた。
頼むから逃げていてくれ。
2階に上がって部屋の前まで来た。中から音は何も聞こえない。インターホンを押したが、返事はなかった。今度は扉を叩いた。でも、じっと待っても物音ひとつ聞こえなかった。
鍵は閉まっているんだろうか。ドキドキしながらドアノブに手をかけるとガチャッと扉が開いて、息を飲んだ。
このまま入ってみるか。隼人は唾を飲んだ。少し扉を開けて「雪菜?入るぞ」と言った。それでも何も聞こえない。きっとここにはいないだろう。そう思って、思い切って扉を開けた。
靴を脱いで静かに部屋に入る。勝手に家に入った後ろめたさから「おじゃまします」と小さくつぶやいた。
初めて入った雪菜の部屋は、白と淡い水色でまとまった女の子らしい部屋だった。普段会社で見る雪菜からは想像ができない。
部屋の中には誰もいなかった。かなり争ったのか、いろんなものが倒れて荒れている。
とりあえず逃げられたのか……?どこに行った?隼人は急いで雪菜に電話をした。