嫌われ者に恋をしました

 隼人が避妊具を手に取ると、雪菜がまたじっと目で追っていることに気がついた。

 そういえば昨日もそうだった。なんか嫌な感じがする。まさかとは思うけど、瀬川は使っていなかったんだろうか。

「どうして見るの?」

 雪菜は昨日と同じように枕に顔を埋めて首を振った。

「あいつ、使わなかったの?」

 雪菜はハッとして隼人を見た。どうしてわかったの?ってところだろうか。

「子どもが出来たらどうするつもりだったんだよ?」

「……薬、飲んでくれって言われて」

 あの外道め!雪菜にそんなことをさせていたなんて。

「今も飲んでる?」

 雪菜は首を振った。そうだろうな、別れてからずいぶん経つんだから。

「飲んでほしいですか?」

 一瞬耳を疑って目を大きく開いた。そんなことを俺に聞くなんて。

「俺が飲んでほしいって言うと思う?」

「……わから、ない」

「わからない?言うわけがないよ。雪菜が飲みたいなら別だけど、飲みたくないなら強要するわけがないだろ?」

 雪菜はうなずくとまた涙を流した。きっと、嫌だったんだろう。隼人は雪菜の頭を撫でた。

「嫌だったの?」

「……はい」

「じゃあ、なんで飲んでほしいかなんて聞いたの?」

「……どうしてほしいのか、わからなかったから」
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