嫌われ者に恋をしました

 母親は、寿司を食べ終え「洗い物のお手伝いを……」と言った雪菜を無理やり座らせると、埃だらけのアルバムを何冊も出してきて、ダイニングテーブルの上に置いた。

「もうやめようよ、そういうの」

「いいじゃない!ねえ?雪菜さんも見たいわよねえ?」

「はい」

 雪菜が速答したから、隼人は驚いた。

「雪菜、俺の昔の写真見たらどうなるか、言ったよね?」

「なになに?エロいことでもすんの~?」

「違う!」

 悠人がいつも以上にバカなことを言ってくるからウザい。

「卒業アルバムをお見せする約束をしているんです」

「へえ?ずいぶんかわいらしい約束だね~」

「見て見て!産まれた時は、こんなんだったのよ」

「あっ、かわいいですね」

 母親は産まれた時から全部を見せるつもりらしい。雪菜をそばに呼ぶと、一つ一つ説明を始めた。

 それを見て悠人は隼人の肩をつつくと「ちょっと」と言って、リビングから廊下へ隼人を連れ出した。

「何だよ?」

「兄貴、なんで付き合って間もないような子、連れてきたの?」

「!」

 コイツにはそういうの、わかるのか。

「いいだろ、別に」

「あの子は本気なんだ?」

「……俺はいつも本気だよ」

「いや~、そんなことないよ」

「お前と一緒にすんな」

 隼人は悠人が何を言いたいのかよくわからなかった。
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