嫌われ者に恋をしました
雪菜が落ち着くまでずっと隼人は雪菜の手を握っていた。
「すみません、もう大丈夫です」
雪菜が涙をハンカチで押さえながら言うと、隼人は手を離した。
「本当に大丈夫?今日はもう出掛けるのはやめようか?」
「ええっ!いえ、大丈夫です!」
雪菜が顔を上げて大きく反応したから、隼人は驚いたようにチラッと雪菜を見た。
「だって、目、赤いよ」
「大丈夫です!すぐ治ります」
「……もしかして、すごく行きたいのかな?」
「あ、……えっと、はい。一度行ってみたかったので」
隼人はふっと笑った。
「じゃあ、行こう」
ランドマークのふもとまで着くとすぐ近くが海で、船が見えたり大きな観覧車が見えたり、テレビで見たことのある横浜の景色が目の前にあって、雪菜は興奮して外ばかり見ていた。
地下の駐車場に車を停めて、車から降りると隼人はニヤッとした。
「また窓にへばりついて見てたね」
「へばりついてなんていません」
「いや、へばりついてたよ」
確かにそうだったかも……。でも認めるのはなんだか悔しくて認められずにそっぽを向いていたら、隼人がチケットを買って手渡しながら「もう、目は赤くないね」と頬を撫でて微笑んできたから、その笑顔にすぐに目を奪われてしまった。