嫌われ者に恋をしました
展望フロアに昇るエレベーター乗り場はとても混んでいて驚いたが、一台に乗れる人数が多いらしく、あっという間に順番が回ってきてすぐにエレベーターに乗れた。
このエレベーターのスピードはとても速いらしい。そんなアナウンスを聞きながら、ぐんぐん昇って行く感覚にドキドキして繋いだ手を握ると、隼人は微笑んで握り返してくれた。
展望フロアに到着して、少し耳が変になった感覚に戸惑いながら一歩降りると、大きな窓が見えた。
「窓の方、行ってみよう」
隼人に手を引かれて窓のそばへ行き、手すりに掴まって窓の外を見ると、驚くほど高くて、本当に遠くまで見渡せて目を見張った。ビルも車もすごく小さく見える。
青い空が夕焼けに変わりつつあって、青と朱のコントラストがすごく綺麗。
「すごいですね……」
「高いだろ?」
「はい、それにすごく遠くまで見えます」
「品川も見えるかもね」
そう言われたら、急に会社のことを思い出した。そういえば、明日で休みは終わりなんだ。また、会社が始まる。
この休みの間はまるで夢のようで、いろんなことが変わってしまった。ずっと課長だった人は隼人さんになって、今私の手を握っている。私自身も何かが変わった。少しは前向きになった?
「今日も一緒にいられる?」
「……え?」
急にそんなことを言われて思い出した。雪菜も今日はどうするのかなと密かに思っていた。明日まで休みだから一緒にいたいけど、こんなに一緒にいていいんだろうか。