嫌われ者に恋をしました

 そして意地悪王子な俺は、どうしても雪菜に何を考えていたのか言わせたいわけで。

「で、何を考えてたのか言ってくれるよね?」

「ええっ!そ、それは……ちょっとエッチなことを思い出してしまったのです。仕事中だったのにすみません」

 雪菜は顔を赤くして恥ずかしそうに早口で言った。

「ちょっとエッチなこと?ちょっとなんて感じじゃなかったけどな」

「……本当に、ちょっとです」

「どんなこと?例えばこんなこと?」

 脇腹から胸をそっと撫でると、雪菜は体を捩って吐息を漏らした。

「……い、いじわる」

「意地悪王子だから」

「もう、それ、……言わないでっ」

 意地悪を言われて追い詰められる雪菜を見ていたら、自分も我慢できなくなってきた。

 俺なんかを王子様と言ってくれる雪菜。かわいい雪菜。俺が持っている愛は全て雪菜に捧げる。その代わり、絶対に手放さない。
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