嫌われ者に恋をしました
午後になって、備品の確認をしようと雪菜が立ち上がると「倉庫に行くのか?」と隼人に聞かれた。
「はい。でも、一人で大丈夫です」
「うん……」
隼人はいまいち納得していない様子で、渋々うなずいた。そんなに心配しなくても大丈夫なのに……。
思った通り、備品の確認は一人でやっても量が少なかったから、すぐに終わった。
この量だと、二人でやったら効率が悪い。課長だってそのくらいわかっていると思うけど。私の安全を優先して考えてくれた、ということだろうか。そう思うと、少し嬉しくなった。
いくつか気になる点はあったものの、雪菜はこの営業所は本当にきちんと処理をしていると感じていたから、作業もなんだか楽しく進められた。
でも、確認した内容を報告すると、隼人の表情が険しくなったから、また何かまずいことを言ったのかとドキドキした。
「棚卸しの残数に違和感があるね」
「え?……確認が甘いのでしょうか?」
「いや。取引先に出した書類とかもっと詳しく調べたいな。でも、今日は無理か……。売り掛けの金額設定も曖昧過ぎるし」
「……どういうことですか?」
「端的に言うと、差額をポケットに入れている可能性があるってこと」
「エッ!そんなこと……」