好きからヤンデレ

山田智治

「智治っ!!!」

「空実!!」

ここは、駅前のスチバ。
美味しそうなドリンクに目が釘つけになる。

「おいおい、早速頼むのかー、ゆっくり話してから頼もう?」

「えー、智治はそうやって余裕ぶってるから後々面倒なことになるんですよー!」


二人で待ち合わせをした後、店に入って窓側の席についた私たち。

今日は、念願のデート。
小学生の遠足みたいにドキドキワクワクして眠れなかった。


「ゆっくり慎重に見ていかないと得られるものも得られないんだ。」

「うわー刑事ずらしてるー」

「してない。それ以上からかうと奢ってもうぞ?」

「やだ!無理ーー!今度の絵画コンテストでお金なくなったんだもんー」

「わかってるよ。ははっ」

そうやって和気あいあいと話せるようになったのは智治が仕事の合間をぬって私に電話をしてくれたおかげだ。
したの名前で呼び合ったり、おはようメールをしたり。

毎日が楽しくて仕方が無い。

「ほら、頼むぞ。なにがいい?」

「キ「キャラメルカフェラテ」」

「だろ?空実は」

「うん!!」

前に電話でキャラメルカフェラテを飲みたいってこと言ったの覚えてくれてたんだ。
スチバだって昨日電話で言った私のわがままでつれてきてくれたようなもの。

嬉しい。


「顔にやけてる」

「んなっ!!にやけてない!」

両手で顔をパンパン叩く。

「...かわいい」

「!?」

「見せろ。」

そう言うと彼は、顔を隠している私の両手をどかしてきた。

「やっ!」

「顔真っ赤ー」

「もーーーー!!!」

意地悪そうに笑う彼を見て、心がきゅうっと締め付けられる。

もう何もかも反則だよ。

好き。

すごく大好き。


たまに見せる子供っぽい笑顔とか、
いじめてくるところとか、
でも、決まっていじめた後は今みたいに頭を撫でて可愛いって言ってくれるところとか


好きだな。


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