近未来少年少女



そしてまた一週間が過ぎた、もうそろそろ公園に行く時間

俺はお父さんに買ってもらったサッカーボールを抱えてチラッと窓の外を見た


外は曇っていて、いつ雨が降ってもおかしくない天気だった

やばいな……雨降りそう……

雨が降ったら公園でサッカーはできない


“今日は公園に行かない”

そう言えればいいけど、残念ながら俺はミノルに伝える方法がない

電話なんて…病院にかける訳にもいかないし、それに…………

たぶんこんな天気で、例え今雨が降っていたとしても、ミノルはあの部屋の窓から外を見ている

俺が来るのを待っている


そう思うと雷が鳴ってようが、嵐が来ていても公園に行かずにはいられない

俺は玄関の傘を一様持って、外に飛び出した


いつもより早歩きで公園に向かう

右手に傘を左手にボールを抱えて


空は窓から見る以上に灰色で……なんだか今日で世界が終わってしまう程不気味だった


こんな日に限って人の数が少ない

気のせいかカラスの数も多い気がする

心なしに何か不吉な事が起こりませんように……と願った




今思えばこの灰色の空は何かの予兆だったのかもしれない


これから起こるあの出来事を……

俺に知らせるかのように


………………………
……………


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