近未来少年少女



唯一の救いは、あの時離婚という形にならなかった事

離婚と別居じゃ一緒に居ないのは同じだけど、全然意味が違う


だけど俺はお父さんの居ない生活に慣れてしまうのがすごい怖い


だからこそ、生活からお父さんの存在を消さない為にお父さんの話しをしたいんだけど……

やっぱりなんか気まずい



『……ユ…キ……?
……ユウキ?』

『!』


隣でミノルが心配そうに俺の顔を覗き込んでいた


『大丈夫?ボーッとしてるけど……』

色々と考えてたらどうやら自分の世界に入ってしまっていたらしい


『だ、大丈夫、大丈夫』


『…そう?僕ならいつでも相談乗るからね。ユウキが話したくなったら言って』

ミノルは無理に聞こうとしない

いつでも俺から話し始めるのを待ってくれる


『あ、そう言えばね……』
『?』

ミノルが突然思い出したように言った


『最近お父さんが僕の部屋に来るようになったよ。どうしてだろう…?前は来ようともしなかったのに』



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