近未来少年少女



周りの景色に息を飲んでいると…………

カタン……カタン…カタン………とあまり聞きなれない音が聞こえてきた


カタン……カタン……カタン……………
この音は………


『どうしたの?早く中に入って』


透き通った綺麗な声

和風なこの空間にピッタリな着物を着て、きっちりまとめられた黒髪にカタンと音を鳴らしていた下駄


透明感のある目の前の女性を見て、俺は少し懐かしい気持ちになった


そう言えば……あいつに初めて会った時も、第一印象は透明だったな

なんだか全てが透き通って見えて………

白い肌に優しい顔、ニコッと笑う口元と透明感のある雰囲気がミノルそのもので

俺はこの人が誰なのかすぐに理解できた


『俺ユウキって言います』

深く頭を下げた


『主人から伺ってますよ。私はミノルの母親です』


ミノルのお母さん……

この人がミノルを産んでくれた人


やっぱり想像通り…いや、想像以上に優しい雰囲気の女性だった



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