お昼の放送です。
☆安海side☆
小さく『夢見て』を口ずさむ、宮田柚美。
クラスでは冷たい女だと噂されているけど、全くそんな気配はしない。
むしろ、明るい。
冷めている感じはしない。
宮田は今人気絶好調のアイドル『AZUMI』の大ファンらしい。
そう言うことを聞くと、やはり冷めている感じがしない。
アイドルが好きなんて、今時じゃねぇか。
「ブーブーブー」
俺のポケットの中に仕舞ってあるスマホが鳴る。
・・・日向さんからか?
宮田はすっかり自分の世界に浸っているので、音をたてずに放送室を出る。
「もしもし?」
『アズミ?僕だけど』
「ボクボク詐欺なんて聞いたことねぇな」
『詐欺じゃない!日向です!!』
「なら名前ぐらい名乗れよ・・・」
『うぅ~・・・しゅみましぇん・・・・』
「で?何の用?」
『実はね、ミュージックフィールド、略してMFに出ないかって社長が言っていたんだけど、どうかな?』
「MFって、確か1か月に1回だけ放送されるって幻の番組か?」
『そう!しかもそこに出られるのは、名が高いアイドルだけ!
どうかな?出てみない?』
「・・・社長が、出ないか言ったのか?」
『そうだよ!』