お昼の放送です。





社長が言ってたのか・・・。

なら、出ても良いかな?



そもそも『AZUMI』が公の場に出なかったのは、社長が出るなと言っていたから。

理由はわからねぇけど、出るなって言われ続けていたから、俺は出なかった。



今更の自己紹介だけど。

俺の名前は桜田安海(さくらだ・あずみ)。

人気アイドル『AZUMI』の正体。

地味な格好をしているのも、正体を隠すため。



電話の相手は、日向皇太(ひゅうが・おうた)さん。

『AZUMI』の専属マネージャー。

「しゅみましぇん・・・・」とか言っていて、凄い気弱そうなイメージを抱くけど。

実は超有名マネージャー養成学校を首席で卒業した天才マネージャー。

卒業後は大物演歌歌手や大物俳優などから直々にマネージャーになってほしいと引っ張りだこ状態だったらしい。

でも、何故だから俺に出会い、俺のマネージャーになりたいと土下座までして申し込んできた。

なんでも俺を見た時、俺の才能は開花すると信じていたらしい。

それが現実になるんだから、凄い。



『・・・アズミ?』

「日向さん、俺MF出る」

『本当かい!?』

「あぁ・・・」

『実は今日なんだよ!今から早退できる?』

「勿論。
俺を誰だと思っているわけ?」

『さすがアズミだね!
じゃあ、いつもの所で待ち合わせね?』

「わかった」



俺は通話終了ボタンを押す。






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