あの子の人形
「な、何?」
「ごめんね!」
いきなり、手を合わせて謝られた。
「私も拓巳のことが好きだったから、取り乱しちゃって……」
少し俯いて申し訳なさそうに小さく呟くような声で言う。
神田さんの立場になって考えてみると、取り乱してしまったのも分かる気がする。
好きな人に彼女がいて、その彼女が今まで拓巳くんを見ているだけだった私がなったんだもん。
そりゃ、いい気分はしないよね……。
「いいよ。神田さんの気持ち分かるから……」
「本当?ありがとう!」
にこっと愛想の良い笑顔を私に向けられた。
「それでね、同じ人を好きになった人同士、仲良くなりたいなって思ってるの。どうかな?」
「えっ!」
すごく驚いた。
私と仲良くなりたいって思ってくれるなんて。