猫被り王子は私の彼氏!!♡







帰ってきたのは優の家。







やっぱり優の部屋が一番落ち着く。






優は何を言われたかを私に聞いてきた。






「私がいなくなれば優と付き合える

みたいな事言ってた。」







「あ、俺にも同じような事言ってた

何考えてんだろうな。」






「優も優だよ。勘違いさせるような

事して、咲さんが少し可哀想。」








あれなら普通自分の事好きかもとさ

思うよ。







「だから社交辞令だって。」





「それがいけないんだよ。」







「てかさ、もうあのバイト先には

 行くなよ。次は何されるか

 分かったもんじゃねーからな。」






優は私を後ろから抱きしめてきて

ぎゅっと力をいれた。







「これも社交辞令?」




「は?んな訳ねーだろ。愛だよ。愛。」






「よく言うわ。行かないよ。どこにも」






バイト先にも他の男のところにも。








「えらいえらい」







優は私の頭をポンポンとたたく。







「優はどこかに行くときはちゃんと

教えてね。」








聞こえるか聞こえないかくらいの

小さな声でつぶやいた。







ほんとはどこにもいってほしくない。







でも優を縛りたくないから。

せめて、どこにいるかは知りたい。







「俺はずっと舞のそばにいるよ」










「え…?」









ポタリとこぼれた涙に気づかずに

振り向く私。








でもそれをとめようと優はもっと


強い力で私を抱きしめる。








その言葉がどれほど私を救うか

優は分かって言ってるのかな。







優は泣いてる私の涙を拭って

そっと私の唇を塞いだ。







どこにも行かないで。









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