悪夢の少女

リビングに入るとテーブルの上にはもう朝食がおいてあった。

「ここ、座って。」

そう言われあいつの隣に腰を下ろす。

「食べていいぞ。口に合うかわかんねぇけど。」

「…いただきます。」

そう言って野菜炒めを口へと運んだ。

あいつが不安そうな顔で私を見ている。

「…料理うまいな、お前。すごく…おいしい。」

私がそう言うとあいつは嬉しそうに笑った。

ほんとに美味しくてすぐに食べ終わった。

「…ごちそうさまでした。」

そう言って食器を片付けようとすると

「あ、片付けは俺がやっとくから。お前は家に帰っていいぞ。」

「…でも…」

「いいから。久々にお前と食べれて嬉しかった。」

「…久々…?」

「あ、なんでもない。とりあえず片付けは俺がやるから。」

「…?わかった。世話になったな。」

「おう。」

私は靴をはいて

「…お邪魔しました。」

とだけ言うと自分の家へと帰った。





< 16 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop