今夜、きみの手に触れさせて
そのあと、オレらはいつものコンビニまで戻って、コーラで祝杯をあげた。
駐車場横のコンクリに輪になって、から揚げやらカップめんやら、各自好きなものを食べる。
いつのまにか日が暮れていた。
「いや、すげーわ、修吾」
「うん、まさか勝てるとはな」
みんな興奮気味に語り合う。
「けど怖すぎるって、修吾の顔」
「それだよ、それ!」
オレらはみんな殴られて、頬が腫れたり唇が切れたりしてるけど、修吾のは特にヒデーもん。
さっき境内の手水で洗って、血と砂ボコリは洗い流したんだけどな。
両まぶたがボコッと腫れあがった修吾の顔を、みんなでネタにしてはしゃいでいた。
「ヒェー、こっち見んなって、修吾」
「マジで怖いわ」
「その顔で『クツ、舐めるか?』とか言われてみ? オレだったら泣いちまう~」
「かわいそーだ、一ノ瀬」
みんなで爆笑する。