今夜、きみの手に触れさせて
「わかってるって、だからほめてるだろ?」
「え、それ、ほめてんのかよ」
「まぁね」
マジでスゲーと思ったんだ。
殴られても殴られても、負けるつもりなんてまったくなくて、
修吾は相手を睨みつけていた。
ただじっと、真っ直ぐに……。
「めずらしーのな。純太がオレをほめるなんて。いつもシカトするか、怖い顔して突っかかってくるくせに」
「だって修吾ウゼーもん」
そのウゼーことを、
正しいと思えば真っ直ぐにぶつけてくるから、
修吾は修吾なんだ。
ガキの頃から、ちっとも変わってない。
一瞬、修吾がヘンな顔をした。
「イテテ、笑うと顔が痛い」
切れた唇が、笑うと引っぱられて痛むらしい。
「えー、今の顔、笑ったのかよ、それ」
「こぇ~……」
横でタケシがしみじみとつぶやくから、おかしくって、またゲラゲラと爆笑した。