今夜、きみの手に触れさせて


「お前、部活大丈夫なの?」


ケンカを表沙汰にされたら柔道部に迷惑がかかるって、修吾は気にしていたからな。




「それよな……」


急にガックリと、修吾は肩を落とした。


「つい熱くなっちまって、そーゆーの全部吹っ飛んじゃったんだよな……」


なんて反省している。




「バーカ。修吾があんだけ脅したんだから、やつらもそんな報復の仕方しねーだろ」


タケシに呆れてそう言われて、なるほどと思った。


そりゃそーだよな。修吾に仕返しされたら怖いもん。ビビってるに決まってる。


なのにしょんぼりと気にしている修吾がおかしかった。




「ん、やるよ」


修吾のカップうどんの丼にオレの油揚げを入れてやる。


「元気出せ」




修吾はチラッとオレを見て、それからその油揚げをもぐもぐ食べながら言った。


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