今夜、きみの手に触れさせて


わたしはあわててバニラのカップアイスを手に取った。


シャキシャキの氷が入っていておいしいやつ。




「ん」


それをサッと私の手から取りあげて、矢代くんは自分のと一緒にレジへ精算しに行く。


ジャージのポッケからカードを取り出して、彼はそれで支払いを済ませていた。




「あ、あの、これ……」


戻ってきた矢代くんに自分の分のお金を差し出したけど、


片手で軽く制するだけで、彼はそれを受け取ってはくれなかった。




スタスタと店を出ていく矢代くんについて、わたしも表へ出る。




あれ?


一瞬、彼の姿を見失ってキョロキョロと探すと、矢代くんは車止めのコンクリに腰を下ろすところだった。




で、もう袋からアイスを取り出している。




えっと……ここで一緒に食べるんだ……?


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